相分離系変換システム
植物中の細胞壁は、脂肪族化合物であるセルロース、ヘミセルロース、そして芳香族化合物のリグニンから構成されるリグノセルロースを主成分としています。
「相分離系変換システム」は、常温・常圧下においてリグノセルロース中の天然リグニン構造とその循環性を維持しつつ、分子設計を施すことができる天然リグニン誘導体リニア型高分子(リグノフェノール)が高い収率で得られます。
リグノフェノールは、熱変性を受けたリグニン残渣とは異なり、化学的・物理的な加工を施し、様々な用途への活用が可能です。
リグノフェノールの構造や機能は、原材料となるリグノセルロースの種類、フェノールの種類、プロセス、精製法等で制御できます。また、二次的な誘導体の合成も化学的に行うことができます。天然リグニンの三次元構造は解放され比較的リニア型のフェノール性高分子に変換され、同時にセルロース、ヘミセルロース(炭水化物)は加水分解糖液として回収されます。
この方法による構造制御・機能制御・成分分離をそれぞれの成分に対し行うことによって、リグニン、炭水化物ともそれぞれ100%近い回収が可能で、植物バイオマスを「全量活用」できる技術です。

