リグノフェノール
リグノフェノールはプロセス、原料、精製レベルの選択により、目的に応じた分子設計が可能で、多くの応用展開が検討されています。
用途としては、HIV(エイズウィルス)プロテアーゼ阻害薬としての効能、糖尿病性腎症の改善薬,血圧低下による脳卒中の予防薬等生活習慣病への薬理活性や、アポトーシス抑制効果、アレルゲン除去効果、酵素の吸着効果など医薬分野への応用が報告されています。
他に、鉛蓄電池の機能向上剤、色素増感型太陽電池の光吸収剤や導電性複合体、フォトレジスト、炭素分子ふるい膜、金などの貴金属の選択回収材(不均一系)、エンジニアリングプラスチックの機能性添加剤など、が検討されています。 さらに、一般の樹脂成型温度に耐えうる耐熱型リグノフェノールグレードがあり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂やバイオマスプラスティック等への樹脂添加剤などが開発されています。
また、「りぐぱる」と呼ばれる古紙パルプモールド複合成形体に代表される循環・リサイクル利用可能なリグノセルロース系プラスティックが知られています。その他に段ボールなど紙製品の強度向上、パーティクルボードなど木質製品用接着剤、天然系塗料等多くの汎用用途への適用可能性があります。